一色学びの館 ギネス記録!船頭重吉の484日-江戸時代の世界最長海上漂流記-
時は江戸時代、文化10年(1813)10月のこと。船頭重吉を含む14人の船乗りを乗せた督乗丸は江戸からの帰路伊豆沖で嵐に襲われ、外国船に救助されるまで実に484日間、大海を漂うことになりました。この驚くべき日数は世界最長海上漂流記録としてギネスに登録されています。
「板子一枚下は地獄」の極限状況で、どのようにして精神を保ちこの苦境を乗り越えたのか。新城の重臣・池田寛親は、重吉の経験が人びとの人生の教訓となるよう「船長日記」を記しました。本展では、「船長日記」に記された重吉の漂流とその後をたどるほか、同じように漂流し数奇な人生を送った他の人物も紹介します。
【関連イベント】
■「船頭重吉の484日」講演会
①「漂流それぞれ 奇跡の重吉」
講師/大賀清史氏
②パネルディスカッション
「重吉の事蹟を伝えていくこと」
パネリスト/石川始史氏、重吉の会
日時/2月23日(金・祝)午後1時30分~
会場/一色町公民館3階 コンベンションホール
定員/60人(申込先着順)
対象/どなたでも
参加費/200円
お申し込みフォームはこちらから
※参加人数が定員に達しましたので、申込み受付は終了とさせていただきました。
■展示解説
日時/3月2日(土)午後2時30分~
会場/一色学びの館 多目的室
対象/どなたでも(事前申込必要)
■学びコンサート 紙芝居「船頭重吉物語」
日時/3月24日(日)午前10時30分~
会場/一色学びの館 ロビー
対象/どなたでも(事前申込不要)
【お問い合わせ】
一色学びの館 TEL0563-72-3880
- 時 間
- AM9:00〜7:00
- 場 所
- 一色学びの館 多目的室
- 休館日
- 月曜日【2月12日(祝)は開館】
【令和6年能登半島地震義援金のお礼とご報告】
令和6年能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
当館では、企画展「ギネス記録!船頭重吉の484日」において石川県の関係者様から多大なるご協力を賜りました。
このことから、企画展開催期間中、被災された方々へのご支援を目的とした募金活動を実施しました。
このたび、皆さま方からの心温まるご支援を頂戴したことに感謝申し上げるとともに今回の募金活動について下記のとおりご報告いたします。
■義援金の募集期間
令和6年1月27日(土)~4月7日(日)
■募金額
39,708円
皆様からお寄せいただいた義援金は、日本赤十字社愛知県支部を通して被災された方々へお届けします。
皆様の温かいお気持ちに心より感謝いたします。ご協力ありがとうございました。
Ⅰ章 「船長日記」が伝える重吉物語
「船長日記」は、尾州廻船督乗丸の船頭重吉が、484日間にわたって漂流し外国船に助けられ帰国するまでをまとめた漂流記です。作者の池田寛親は、重吉の体験が人生の教訓となることを願い書き記しました。
「板子一枚下は地獄」という極限状況を、重吉は船頭としての的確な知識・技術と、強い信仰、信念で乗り越えました。
Ⅱ章 帰国後、供養碑建立のために
「生きて帰るものあれば」と督乗丸の仲間と誓い合った供養碑の建立は、重吉にとって生涯貫き通す強い志となりました。重吉は外国から持ち帰った品物を陳列した見世物を行い資金を集めました。そうして建てた供養碑は、台座が船の形をした特徴的な石碑で、漂流中に命を落とした12人の名前が刻まれています。
Ⅲ章 数奇な人生を送った漂流者たちの物語
江戸時代は海運が発達した一方、海難事故も多い時代でした。外国船に助けられたりした者は帰国すると厳しい取り調べをうけ、海外の見聞を口にすることは決して許されませんでした。それが幕末になるとその知識・能力が重宝され、日本の近代化に活躍あるいは利用されるようになりました。遭難により数奇な人生を送った江戸時代の漂流者として、山本音吉、大黒屋光太夫、中浜万次郎、ジョセフ・ヒコを紹介しています。
Ⅳ章 重吉を伝えていくために
どれほど立派な功績を遺した偉人であっても、語り継がれていかなければ次第に忘れ去られてしまいます。「船長日記」を記した寛親のように、苦境を乗り越えた重吉のことを次世代に伝えようとする活動があります。西尾市を活動の中心とする「重吉の会」は子供たちに重吉を知ってもらおうと、紙芝居「船頭重吉物語」を学校などで上演しています。